No.21: HAMILTON DE HOLANDA & ANDRE MEHMARI / Continua Amizade

selected by 特別顧問"G"


稀代のバンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダと、ピアノを超えた天才アンドリ・メマーリの入魂の一発DUOアルバム。

そもそもバンドリンひとつでソロアルバム(しかもライブ!)を作ってしまうアミルトン。
異常なテクニックと音楽性で、この不自由なバンドリンという楽器に凄まじいまでの表現力を与える。

ピアノのアンドレを初めて聴いた時は、私のピアノという楽器に対する概念が覆った。

メロディを追うとかコードがどうのとかを全く抜け出た、ピアノという「音の箱」を星屑にしてばら撒き、脳内に振り撒く衝撃を受けた。
低音の甘さ、ダイナミズム、不連続な鍵盤の躍動、天板から反射し外へ抜ける音に混じってそのまま打弦の上に零れ落ちる音のパノラマ。
ピアノを聴きオーロラを視た。

その二人が呼吸を合わせ、高まった「気」の中、音を紡ぎだす瞬間から飛翔を捉えたものがこれである。
バンドリンの弦の震えや、ピアノの降り積もり消え行く音符に魂が吸い寄せられてしまう。
お互いを妨げる余計な音が無いDUOという形態が見事にはまった。

音は勿論、ジャケ、イラストまでも至高。
私のベストアルバムのひとつ、必聴の一枚。