No.14: CAETANO VELOZO / A Bossa de Caetano

selected by 金ちゃん(会員番号031)


今年はボサノヴァ生誕50周年!ってことで、大好きなカエターノ・ヴェローゾボサノヴァ集を・・・
これ、ブラジルのテレビドラマ“Lacos de Familia”(サントラが出てます)にカエターノが歌う“Samba De Verão”が使われて、その人気で制作されたコンピ盤です。
収録曲は、ボサノヴァ第1号の“Chega De Saudade”、カルロス・リラ作“Coisa Mais Linda”、盟友ジルベルト・ジルとの共同作“Desde Que O Samba É Samba”、アリ・バホーゾの“Na Baixa Do Sapateiro”、そして、カエターノが尊敬して止まないジョアン・ジルベルトのヒット曲“Bim Bom”と“Oba - Lá - Lá”のメドレーなど名曲ぞろい。甘美なカエターノのボサノヴァを、たっぷり堪能できるオイシイ1枚です。
音楽の系譜は違っても、カエターノこそジョアンの真の後継者だと思うんです。

No.13: V.A. / Songbook Noel

selected by 福島 (会員番号012)


Noel Rosaのsongbookです。
ブラジル音楽を聴きだして始めの頃に英子さんから「これ良いよ〜」と進められた一枚です.
確かにこれは最高なんです! 有名な曲ばかりを有名なボーカリストが歌っているんですよね...?
なんだかすごくお得な一枚だと思いませんか.
私は勝手に結構古い会員だと自負しているのですが、曲に関するうんちくは全然無いんです。
ただ本能と感性で聞いているだけ!!!
現在の若手から,フュージョンのようにアレンジされた物など色々聞いているけれど、
それも良いけどやっぱりこれに戻って行く....。
私にとっては原点と言える一枚です。

No.12: PAULINHO DA VIOLA / Memorias Chorando

selected by 特別顧問A@東京多摩地区

膨大な宝の山の中から敢てひとり、この1枚、となると…
えい、やっぱりパウリーニョ様。で、唯一のインスト・アルバムのこの作品を。
サンバ・カリオカの貴公子にしてショーロ界のサラブレッド、悪かろうはずがありません。もちろんこのアルバムと対をなす歌ものの名盤Memorias Cantandoをはじめ、新旧オリジナル・サンバアルバムの数々ももちろんハズレなしですが。
思えばこのお方こそ、若かりし一日本人の侘び寂び心を揺るがし、琴線鷲掴みにしてくれた最初のブラジル人アーティストだったんですね。で、以来私「信者」なわけです。
最近、MTVアクースチコのDVDと22年前の来日時の秘蔵打ち上げライブビデオを立て続けに見てしまい、久々にちょっとした「脳内パウリーニョ祭り」開催中!

No.11: SMOKEY & MIHO / 人間の土地

selected by Junko.H(会員番号152)

映画でもアートでも、自分が惹かれるものには必ず共通点が存在するものですが、私の場合、音楽では好きなミュージシャンが、実はブラジル音楽に影響を受けていたということがよくあります。
このアルバムは、NYで活動していた大好きなバンド“TIBO MATTO”の羽鳥美保(Miho)とBECKのギタリストのスモーキー・ホーメル(Smokey)がユニットを組み、ブラジル音楽への愛情を形にした作品です。はじめて聴いた時、それまでの音からやはり…と納得すると同時に、なんと素敵なアルバムを作ってくれたのかと嬉しくなりました。
全曲にわたって、真面目に淡々と歌うMihoの声にはいつものような奇抜さはなく、ブラジル音楽に対する誠実さが感じられます。しかし、湿った土の臭いや神聖な神々など、ブラジルの大地をイメージさせる一方、どこか前衛的な空気が漂い、オルターナティブ・ロックならぬオルターナティブ・ボッサ?(そんなんないんやけど…)といえるような独自の世界が広がっています。
アルバムの後半、バーデン・パウエルとヴィニシウス・ジ・モライスの「OS AFRO SAMBAS」から数曲収録されていますが「Tempo de Amor」が最高!映画「SARAVA」の中で、ワンフレーズ弾く度に煙草を吸う、カッコよすぎるバーデン・パウエルを思い出してしまいました。Miho は間違いなくあの映像をイメージし、バーデン・パウエルの横で、煙に巻かれながら一緒に歌ったに違いありません。
日本語で歌ったオリジナル曲「Summer Rain」もサウダージ感たっぷりで、とても美しい曲です。
「人間の土地」といいうタイトルもいいです。

No.10: ANTONIO CALROS JOBIM / Terra Brasilis

selected by 原信一郎 (会員番号151)


1980 年の発売時に LP の 2 枚組で買った。アルバムの内容はてんこ盛り。溢れんばかりに具が乗った海鮮どんぶり。鉢一面(二層)チャーシューメン状態である。しかしアルバム全体に統一感があり、ビートルズで言えば「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、、、かな。

1. Dreamer (Vivo Sonhando)
2. Canta Mais (Sing Once More)
3. Olha Maria (Amparo)
4. One Note Samba
5. Dindi
6. Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)
7. Marina
8. Off-Key (Desafinado)
9. Voce Vai Ver (You'll See)
10. Estrada Do Sol (Road to the Sun)
11. Girl from Ipanema
12. Double Rainbow
13. Triste
14. Wave
15. Someone to Light Up My Life (Se Todos Fossem Iguais a Voce)
16. Falando de Amor (Speaking of Love)
17. Two Kites
18. Modinha (Serenade)
19. Song of the Sabia (Sabia)
20. This Happy Madness (Estrada Branca)

幾つか曲について:

3. Olha Maria
ああそうだ、思い出した。あれ、うーんと何を思い出したんだっけ。確かに思い出したんだけどなあ。思い出しはしたけど何を思い出したかを忘れたら、それは思い出したことになるのか。まあいいか確かに思い出したんだから、、、そういう感じの曲。

5. Dindi
小学生の頃、年の近い叔母が初任給でソニーのステレオを買って、製品におまけでついていた EP に入っていた。女性の多分日本人のボーカルだったと思う。間延びしたような不思議なメロディーを好きになった。一方、中学生の頃、偶然ラジオを録音したエレキギターの曲を気に入って繰り返し聴いていた。深海を遊泳するような雰囲気で最後にちょっとだけ盛り上がる。何年もしてから実はそのギターの曲も Dindi であることに突然気付いた。そして、それまで分からなかったことにも驚いた。演奏は Elic Gale だった。

8. Off-Key
ポルトガル語が分からないので「デサフィナード」が音痴という意味だとこのアルバムで初めて知った。導入でジョビンがもともと外した感じのメロディーをさらに外して歌い出すのがしゃれている。ボサノバについて歌ったとも言えるボサノバ。チューニングの合わない拾いもののギターで練習した。

9. Voce Vai Ver
歌詞がわからないのをいいことに、曲調から歌詞の内容を勝手に想像して楽しんでしまうことがある。この曲は淡々としていて、男性パート(ジョビン)と女性パートが、同じメロディーを最初から最後まで重ねて歌うので、男女の関係の対称性について歌っている男女同権思想の歌だと決めつけていた。後でタイトルは「思い知るがいいさ」という怖い意味だと知る。うーん、ジョビンはもてたろうなあ。そいえば、「Por Causa De Voce」も全然間違った想像をしていたのだが、「あなたのせいよ」とか訳されるらしい。

17. Two Kites
去年の 5 月に息子が生まれた。名前がなかなか決まらず、苦し紛れにこの軽やかな曲を彼のテーマ曲と決めて、その曲想から名前を降ろしてこようということになった。まず、「カイト」みたいな名前が候補になったが、元気いっぱいで火を噴きそうな勢いの本人の顔を見てると洋風の軽い感じが似合わない。いいかげんめんどくさくなって、やっぱりお餅を食べるでしょう。コマを回すでしょう。凧上げは龍でしょう。ということで「龍」に決まったのは命名期限の日の朝である。

No.9: NARA LEÃO / Saudade de Você

selected by 東京支部

私がブラジル音楽を聞くきっかけになったアルバムです。
1989年、某ビール会社の「ファインピルスナー」というCMで流れていたのがナラ・レオンの「saudade de voce」。
当時J-POPや洋楽を聞いていた私にはとても心地良く新鮮で、このベスト盤を即購入。
その頃はナラの生涯なんて知る由もなく、ましてやポルトガル語なんてまーったくわからないままに、歌詞を見ながら何度も繰り返し聞いていたのを思い出します。

彼女の訃報を聞いたのはそれから間もなくのこと。
生きていたら、その年に来日していただろう彼女のコンサートをきっと見に行ってたろうなと思うと残念でなりません。

No.8: DUO (Shigeharu Sasago, Oh Akioka) / Duo

selected by 007 (会員番号007)


初老クラブとか、ショーロもやっちゃうクラブとか、向かう所客なしとか(笑)、なぜかワビしいMCをやってしまうchoro clubのブラジル担当お二方による、珠玉のインストアルバム。
ブラジル的要素を取り入れるミュージシャンも少なくない中でオラオラオメーらコレがやれんのかぁ?と言わんばかりの圧倒的クオリティ。
個人的に凄いなと思うのは、グルーヴの深さと言うか強さと言うか何と形容していいか分かりませんが、ブラジル的なグルーヴ感の力強さですね。
上手い弦楽器プレーヤーって沢山いると思うんですけど、こういうノリを出せる人ってほとんど居ないんじゃないでしょうか。
ブラジル音楽の様々な要素が体に染み込んでいる。そんな気がします。
そういうブラジル音楽の豊かさを存分に取り入れた選曲は、エルメート・パスコアルのBebeから始まり、サンバ、ショーロ、バイアゥン、フレーヴォ、MPBと多彩。
Duoで奏でられるSamanbaiaの何と気持ちいいことよ。
個人的なベストは録音最後のスザーノの哄笑が笑えるジャコーのショーロスタンダード、Bole Bole。秋岡さんのバンドリン使ったクイーカも最高。これぞブラジルっていう怒涛のサンバグルーヴが炸裂してます。